欧州ジェットスキー事情見聞録 11:アメリカ編
レポート福井 昇
11回を数えた「ジェットスキー見聞記」。欧州〜アジア〜アメリカ へとジェットを担いで世界を回る―著者・福井氏の珍道中も今回でいよいよ最終回。かの超大国”アメリカ”へ渡った氏が西〜東で大奮闘さすがの氏もホームシックにかかってしまった。!?
胸躍る”待望の国・アメリカ”
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1986年8月25日、いよいよ待望の国”アメリカ”だ。2度目の欧州ジェットスキートレーニングの出張で立ち寄った時、販売予定になっていたJF650(X-2)をいよいよKMC(アメリカカワサキ)のテストライダーとともにトレーニングするためである。
JAL062便で一路ロサンゼルス空港へと向う。もちろんビジネスクラスであったがGパンをはいていたのは私一人であった。待ちに待ったアメリカ主張ではあったのだが、その期間も2ヶ月、3ヶ月ともなると、さすがにホームシックにかかりそうになる。今回も自宅を出る時、妻と幼子を残していくことを考えると少々後髪を引かれる思いだった。もう2年も前のことになるがタクシーの窓から見た家族の姿が今でも思い出される。 |
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テクニック、マナーも”No.1"・・・『アメリカ』
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既に市民権をも獲得した―“カワサキジェトスキー”
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日本時間AM1:00ロサンゼルス空港に到着。1人でアメリカ大陸に踏み込むのは初めてなのでパスポートコントロールからしてビビッてしまった。検査官が多いうえにゲートの手前5mも前の位置で待たされ、恐そうな婦人管がゲートNO.を指示するのでなおさら緊張が高まってしまう。いよいよ私の番が来た、検査官が「会社員か?」「カワサキジェットスキーなら僕もよく知っているよ」「僕にお土産はないのか?」といったような質問をされた。ロビーを出るとKMCからMr.H氏が私を迎えに来てくれていた。彼の車で空港を出て、ハイウェイを走ってKMCに向った。初めて見るアメリカの大地と道路、全てが私の心をウキウキさせ、まるで映画の”ジョン&パンチの世界、見るものも全てがアメリカそのもの!―と納得できた。
Irvineにあるアメリカカワサキまで車で1時間、最近新築したビルディングは大きくて美しい。このKMCで私の滞在中ホストをしてくれるMr.Y氏に会い、ジェットスキーテストのスケジュールを決めた。X−2のテストライディングとともに"300A(JS300A)”でのライディングも今回の出張の目的であった。
8月27日KMCのスタッフと一緒にロングビーチの川へテストライディングに向う。この時に持参したテスト艇は当時、まだ試作中のJS650SXとX−2、JS−550Aの3台そしてハイドロジェット、ウェットジェットの計5台である。このロングビーチのボートランディングエリアは立派なことにジェット専用のスロープが駐車場隣側にあるのはビックリした。もちろん駐車場は1ドル出せばトレーラー込みでも自由に入れるのでパワーボートやディンギー、ジェットスキーなど多種類のマリンクラスフトが並べられていた。日本と違いジェットスキーが完全に市民権を得、1人歩きをしているようだ。 |
ここの川幅は狭く、その水面をジェットスキーや水上スキー、パワーボードが走っているのでなおさら狭く感じる。我々も5台のジェットビークルを降ろしテストに入った。アメリカ国内では、80%のジェットが淡水で乗られているらしく、それほど多くの湖があるということで日本人としてはうらやましい限りである。
全体の5%ほどがレースなどの活動をしており残りのジェットスキーはサーフライディングやレンタル、そしてファミリーで楽しんでいる。実際ロングビーチのボードスロープではほとんど自分達でトレーラーを引き家族単位で楽しみ、若者はカップルで楽しんでいる。日本人のようにグループやチーム単位で集まって乗ることはあまり無い。特にビーチ近くで乗り回したり皆の前で“エエカッコ”する事もないし、スロープの場所に、はっきりと5マイル規制のブイがあり各ライダーもしっかり自覚をし、守らない人への注意もする。日本人には中々できないことであるのだが・・・・ 本場アメリカ、絶好のロケーションでのライディング。ライダーもギャラリーも”High”になる瞬間だ!
日本のライダーが見たら「ヨダレ」が出そうなくらいに横たわるカルフオルニア・オレンジカウンティーのショップ内
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まさしくアメリカ―目の前には”ラリー&マイク”
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8月29日からKMCのスタッフ1人と私でフロリダ州オーランド市で行われるIJSBAのレースのため移動した。オーランドは西海岸と違いムシ暑くその気候は日本と似ている。この時初めてP・J・Sのライダー、ラリー・ゴードン、マイクと会い話をした。全員が彼女を連れていて私だけ1人ぽっち・・・・しかもここまで来ると日本人の姿も見かけない。しかし私がカワサキのエンジニアということで熱心な質問やいろいろな話で盛り上がり自分自身も暖かい歓迎を受けた。レース当日はレースディレクターのスティーブがライダー達に紹介してくれた。感激!! |
ここはスキーのジャンプ台があり水上スキーショーのあ間にジェットスキーレースを行うとあってギャラリーの数も大へんなものだった。
8月末のここ、「フロリダ」は気温が36℃ほどもあり、湖もとても多くいたるところにワニが出そうな土地柄である。

どこに置かれても絵になってしまうジェット。スポーツタイプカーにさりげなくトレーラーを付けたり、ピックアップトラックに積んだり・・・
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いよいよ最終回となりました―
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9月1日にはロンドンに入ってしまうということもあリ思い返すととても明るく楽しい旅であった。同じ9月とはいえ、ロンドンではとてもTシャツなどで過ごせる気候ではない。期待通り十分私を楽しませてくれた「アメリカ」であった・・・・。
今回での「ジェットスキー見聞記」も最終回。がしかし、すでに著者は日本を離れ地球上のどこかでまた美女を相手にジェットを乗り回しているはず・・・・次回はどんな形で読者の前に現れるか―乞うご期待。長い間ありがとうございました。 |

世界1の誉れ高い「サイプレスガーデン」の水上スキー・アクロバットチーム。詰めかけた多くのギャラリーの中でジェットスキーレースが行われた。この会場で生まれて初めて本当のJETSKIフリースタイルを見た。“感激”の一言である。そのうち1つのフリースタイル技を日本で“小河圭介”に伝授した事が懐かしい。 |

さすがアメリカ、なんでもかんでもバカでかい。こんなトラックの横にいると、ついピクピク鼻がピノキオになってしまう |

「これでもか」とばかりに並べられたショップ内。マリンスポーツを楽しむ為のgoodsやウエアが色とりどりに並んでいる |

ウム、いつ眺めてもどこでみても美しい姿だ。今にも踊り出しそうに楚々としたマシンについほれぼれとしてシャッターを切ってしまう |
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