欧州ジェットスキー事情見聞録 1:イギリス編
レポート福井 昇
「世界のカワサキ」の社員であった福井昇氏は、彼が半生を傾けて情熱を注ぐジェットスキーに関わることが、そのまま仕事という、実にうらやましく幸福な人である。
その彼がさらにうらやましいことに、世界を股にかけ、アメリカ、欧州10ケ国のジェットスキー市場調査の旅に出た。
テクノロジー先進国ニッポンの「現代のマルコポーロ」が見た、欧州ジェットスキー事情とは・・・・?
のどかに郊外を流れるテイムズ河。防潮堤の上流側ではJet Ski
は乗れない。日本人なら規制を無視する者が出そうだが、ヨーロッパ諸国の環境意識は高い。
旅立ちは「ええい、ままよ三度笠!」
|
欧州10ケ国を回り、ジェットスキーのトレーニングと市場調査を行うための2ケ月間の旅。それに出発すべく、私は見送りのチームワールドジェットスキーのメンバー10数名と、熱い握手を交わした。S.61年4月5日、大阪国際空港でのことである。私を乗せたJAL421便は間もなくロンドンに向けて離陸した。
イギリスにJet Ski
が導入されたのは、日本とちょうど同じ頃であり、年間の販売台数もよく似ている。ただ、違うのは日本程Jet
Ski
ディーラーの数は多くない。果たしてどんなどんな実状下にあるのだろうか・・・? |
20時間のフライトの後、現地時間で6日早朝、ロンドン・ヒースロー空港に降り立った。まず、本場の英語がイミグレーションで待ち受ける。内心ビビリながらも開き直りで何とかクリアー。あとは出迎えに来てくれたUKカワサキ(イギリスカワサキ)K氏の車に乗りこみ、ホテルへ向かって一安心。そこで私より2週間先行してアメリカを回って来た同じカワサキのN氏と合流した。何だか懐しい思いのする再会であった。これからの2ケ月、このN氏と道中を共にすることになる。
|
あぁ、雨のロンドン・・・極寒の池に乗る。
|
イギリス式、手造りプライベート・ゲレンデ
|
イギリスの気候はいつもどんより曇っており、夏場でも3週間程度が真夏日になるだけ。ジェットに乗るには、夏でもウェットスーツがいるそうだ。まして4月の初旬ではかなり寒く、ドライスーツが必要なほど。着いたこの日はK氏の案内で私とN氏は、オックスフォードやロンドンの名所を一通り回ったが、例の暗くうっとおしい天候は小雨になり、雪が降り出しそうな寒さである。市内を流れるテイムズ河は黒く、流れは速く、およそジェットスキーなど乗る気がしなかった。
我々がJSトレーニングに使った農家の池。ここの水面レンタルは半日25ポンドだった。共同使用の水上スキーをする人が見える
|
我々が着いた池も水上スキークラブと併用され、池の周囲は2km位。広大な平坦な土地に池と農家があるだけだ。この日は風が強く三角波が立ち、気温7°、水温5°という寒さ。それでも同行のイギリス人スタッフがウェットスーツに着替え始めたのには驚いた。日本人ではドライスーツなしでは乗れない感覚だ。合計8名で7台のジェットを使用。私はデカいイギリス人をサポートして水中でジェットのテイルを支えるが、あまりの冷たさに手が痛くてしびれる。さっきのウエットスーツの2人は顔も手足も真っ赤っかだ。”どんな厳しい条件下でもジェットスキーは乗れるんだなー”と感心してしまう。
農家が牛舎を改造したクラブハウス。ここは水上スキークラブが使用している。
|
さて7日、8日の2日間はUKカワサキ・ディーラーのジェットスキー講習会を行い、9日はロンドン郊外の町、SloughにあるUKカワサキから車で15分位の所にある専用のジェットスキー・ゲレンデで、実技講習に入った。
ゲレンデとは言っても、農家の一角にある池である。イギリスのマリンスポーツというと、海は別にして、内陸部の場合は一般に次のような方法をとる。
1)農家が広大な土地を砂利採集として土木業者に掘らせて金を取る2)デッカイ穴ができる
3)元々雨が多い国のこと、すぐさま人工池ができ上がる。
4)この池の使用権を地元マリンクラブ(水上スキー、WSF等)が農家から共同で借用する、というパターンだ。
|
ともかくこの日は、トレーニングが終わって着替えると、手足はカッカ、カッカと燃えるようだった。
|
英国JS界の殊勲者、トニーウォーカー氏を訪問
|
翌日の10日は「イギリスの前田一龍」ことMr.トニーウォーカーの店を訪問した。UKカワサキから車で北西へ2時間程行った所の、W・orcetershire州にKidderminsterという町があり、ここには、イギリスで最初にジェットスキーの輸入(全英で彼一人であった!)を始め、現在UKカワサキのJet
Ski 販売ディーラーとして、年間300台をクリアーしている。
彼は年間7戦位のJet Ski
レースを企画しており、彼自身、去年のチャンピオンである。彼が言うには「一昨年のチャンピオンが背中を痛めて出場できなかったから」だと言う。その正直な性格といい、顔といい、全米のチャンピオンのデビッド・ゴードンにどこか似たものがある。
|
イギリスJSBAの創始者でもある彼のJet
Ski
にかける情熱の度合は前田選手や私に似ているように思う。もちろん、彼も例の専有ゲレンデ(人造池)を持っているが、池の端ではまだ砂利採集をしているというものすごさであった。
さて、彼とも又再会できることを願いつつ、トニーウォーカーの店を後にし、ロンドンへの帰途につく。明日はもう、欧州トレーニング第2の訪問国ドイツへ向かう。本場のソーセージがどれ程うまいのかが、今から楽しみである。
(つづく) |
column (海外Jet ski事情見聞録) へ もどる | イギリスマップ

| Kawasaki全機種|パーツストック|CDIイグニッション|会社案内|
|オリジナル商品|トレーラー|プレゼント|リンク| Mail|
|