欧州ジェットスキー事情見聞録 4:スペイン編 レポート福井 昇

欧州各国を巡る、カワサキのジェツトスキー視察・大行脚の旅もいよいよ佳境に入ってきた。特にこの南欧諸国は気候も食も人々も、最もオイシイ地方であるから、ついつい福井氏の心はジェトスキーを飛び越えて、夢のようなスペイン美女の黒髪に吸い込まれそうになる・・・。さて、身も心もジェトに捧げたはずの筆者であったのだが・・・・・・。


情熱の国・スペインへ、心は躍る


5月6日、イベリア航空でスペイン、マドリッド空港に入ると、やはりここも欧州の南国ならではの暑さである。でも、日本のようなムシムシした暑さでなく、地中海性高気圧はカラッと暑い。とはいえ、今思えば今年の南欧での異常高温事件もうなずける程、太陽の照りはきつい。
 
マドリッドの街もギリシャに似て、車があふれ、ブーブービービーとやかましく渋滞している。1番ポピュラーな車はイタリアのフィアット社の現地製造で、"シアット"というもの。国中にあふれ、タクシーも殆どこれあである。日本車は行政で輸入されていない。
 我々はスペインの5つ星ホテル、"ミゲール・エンジェル"に宿泊したあが、ロビーは大理石,地下にプールを備えたこの高級ホテルが1泊9900ペセタ(約9千円)とかなり安い。街で食事すれば、1500円位でうまいものが食べられる。コーヒーは1杯60円位。という様に、物価の安さも手伝って、南欧の国々は北ヨーロッパからのバカンス客に襲撃される運命にある。
 さて、このスペインでのJSトレーニング及びデモ走行がマドリッドにて3日間に渡り行われたわけが、これが万事ノンビリしたラテン民族特有のライフスタイルによって、思いの他難行するのである。

南スペインのリゾート地、アリカンテ。観光で生きる町なので、建物は夏だけ貸し出すマンションのようなものが多い

 


カサデカンポの池で・・・
スペイン美少女に恋をした!


マドリッドでアヒルも蹴散らす、JSデモ走行


 "発展途上国の人々は元来気ままに生活しているのだ"と好意的に解釈しても、彼らの時間的なトロさにはハッキリ言って頭にきた。
 
  JSディーラーへのトレーニングは、スペイン各地のディーラーからメカニックをマドリッドへ呼び寄せ、トレーニングするわけだが、朝9時集合のはずが、皆1時間も遅れてゾロゾロやって来る。昼飯はダラダラと2時間は裕にかけるから講習にもならない。驚いたのは、やっと午後の講習を始められたと思ったら、3時になつた時ディラーの1人がおもむろに手を上げて「コーヒータイム!」と要求する。時間がないのでこれを却下しようとすると、主催側から、「これ我国の重要な習慣だから変えるわけにはいかない」と主張され、我々十数人の一行はカフェテラスへゾロゾロと向かうのだった。ええい、もう講習など、どうにでもなれ!

 残る2日、池での実技講習の方はスムーズに進行した。まず走行場所だが、この国のJS販売会社オーナーが政治的に顔が広く、マドリッド市のド真中にある公園の池の走行許可を取って来た。この池はアヒルの群れが泳ぐ小さな池で、水面にはアヒルの抜けた羽がたくさん浮かんでいる。アヒルも迷惑だろうが、この臭い池でデモ走行する私も迷惑だ。しばしば口の中に入り込む池の水はアヒルのダシ味がきいて臭くてマズイ。

 でもそんな苦渋に満ちたデモ走行にも,結構なお楽しみが付いている。池の回りにはもちろん多くのギャラリーが集まっており、JSが珍しいらしく、あちこちで私に手を振って「こちらへ来い」とあ呼びつける。女の子に呼ばれると、そのつど寄って行っていた私は、池でボート遊びをしている女子高生に呼ばれたので、ボートの後部を私のJSで押してやるとキャーキャー喜び、そのうち私は池中のギャル達からひっぱりダコになってしまった。
  
  こちらの女の子は、高校生といえどホリが深くて美しく、目はブルー,髪は黒く、まるでリカちゃん人形のようなカワイサである。デモ走行中の私はそこで絶妙なプロモーション能力を発揮した。ボートの上のカワイイ娘をみつけると、かぶっているJSキャップをプレッゼントしてあげるのである。そして新しいキャップをかぶってはまたプレゼントし・・・と繰り返し、合計10数コのJSキャップをスペインのリカちゃん達に残してきた
 
   多くのリカちゃんの中で、とびきりかわいい、メルセデスという17歳の高校生がいた。彼女とはその後何度か文通しているのだが、ここで彼女の写真をお見せできないのが残念だ。彼女が大人になた頃いつか日本に呼んで、JSレース会場へ連れて行くつもりだ。

ご存知、闘牛はマドリッドにて、毎週1回、1日に6頭の牛さんが人間に命を奪われる。


天国リゾート、アリカンテへひとっ飛び


 マドリッドでのトレニングを終え、5月12日は日帰りで地中海に面する南のリゾート地、アリカンテを訪問した。市場調査とディラー訪問を兼ねての旅だ。ここのリゾートの美しさにはハワイにもヒケを取らぬものがある。ビーチは、シーズンをはずれているためかあまり人がいないが、時々見かけるトップレスの女性はやはり良いものだ。

 アリカンテでビーチや町を案内してくれたのは、先日のマドリッドでのJSトレーニングに来ていた、ここのディーラー・メカニックのアントニオである。が、彼は英語が全くダメなので我々は身ぶり手ぶりで会話をし、今思えば車の話し以外は何も理解できなかったのではないか・・・と思う。
 
   さて、美しいアリカンテを後で再びマドリッドへ戻るべく、イベリア航空機DS9に乗り込んだのだが、私は元来ラジコン少年であった通り、飛行機に興味があった。そこへこのイベリア機の陽気なスパニッシュ・クルー達は、コクピットの扉を開け放したまま操縦しており、私が「コックピットを見せてくれ!」と頼むと、簡単に迎え入れ、パーサーの席に座らせてくれる。雲しか見えない空をジェット機が飛ぶ中を、パイロットは2人共手離しで「オーラ、チンコ、ムチョ、ムチョ」としゃべっていて、操縦桿は勝手に動いている。これを見ると少し恐ろしくなったが、それにしても見知らぬ東洋人の私を信用してコックピットに座らせてくれるスペインのパイロットには感激した。
 加えて、着陸時というのが、このD9機にとって最大の見せ場である。その操縦技術たるやもの凄いもので、例えばこの時などは着陸時に完全な片輪着陸をして、しばらく走ってからもう片輪を着地させるという芸を見せた。確かにショックは殆どなく、座っていても上手いのがよくわかった。
                ◆       ◆
   強烈な印象を残したスペイン南部の太陽、僕のリカちゃん、限りなく陽気なスパニッシュ野郎達・・・と、あったかな思い出を後にして、つぎはまた寒いオランダへ向けて北上だ!!

マドリッドのカサ・デ・カンポ公園の池でJSデモ走行。1周1km位の池に貸しボートがたくさん出ている。中央の公園はアヒルの館。

 

私が乗っていると、池の回りは人がたくさん集まって来て、何とテレビ局の取材までやって来た。

 


リゾート地ではJS300Bのレンタルを行っていた。人気は上々のよう。ドイツ人達が行列していた。

 


アリカンテでアントニオがメカニックとして勤めるディーラー。店頭にはポルシェ944と並んでJS440が展示されていた。


異常高温事件:”ギリシャで死者1500人”と報じられた、南欧を襲った異常熱波のこと。本文レポートは86年の事である。

フィアット:”フィアットウーノ”の”ウーノ”は数字の1という意味。5は”スインコ”であるが、これがどうも”チンコ”と聞こえて仕方がない。お陰で笑いをこらえるのに苦労した。

うまいもの:スペインでうまいものと言えば魚貝に決まっているが、その量もスゴイ。「エビ!」と注文すると20cm位の焼いたエビが10匹程、レモン1個とドンと出された。

どうにでもなれ:結局この日の講習は、日本語→スペイン語への通訳の問題もあり、ほとんど何もできずに終わった!

公園:マドリッド市内にある”CASA DE CAMPO自然公園”のこと。この様な公園の池でなど、日本ならまず乗れない。

アヒル:私が乗り始めると、危険を察知したアヒルたちは、あわてて池の中央にある自宅(小屋)へ退避した。

呼びつける:「いくらするのか?」と聞かれ、「US$500」と答えると皆ビックリしていた。

残してきた:スペインでは”ハロー”のことを”オーラ”と言い、私は池の中で「オーラ、オイラ、ジャポン」と言い回るという楽しい3日間をすごした。

写真:彼女の写真は私の目の裏にだけ焼付けているのだ。あっはははー!

アリカンテ:ここも夏に主にドイツ人がソーセージを片手に押し寄せる所。

トップレス:シーズンをはずすとオバンのトップレスばかりだが、7,8月はトップレスのギャルがビーチを駆け回るというので、又の機会を楽しみにしたい。

ディーラー:ディーラーと言ってもメインは”ポルシェ”と”SAAB”であったが・・・。

ムチョ:例によってスペイン語はみんなそんなふうに聞こえた、というだけで深い意味はない。

感激:私は果敢にも、JALで同様の事を何度も試みたが、常にキッパリ断られた。

操縦技術:欧州のパイロットは空軍のOBが多く、その操縦テクたるや、すごい腕である。


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